高校入試において重要である、中学校での成績などが記録された内申書とは、正式には、調査書と呼ばれます。
内申書(調査書)は、中学校における成績や学校内外での活動の成果を記録したものとなります。
その中の記載内容として、高校入試に影響があると言われているのは、各教科を5段階の評定で表した内申点と呼ばれるものです。
内申書に内申点が記載されていることをご存じの方は多いですが、内申書には、それ以外の内容も記載されています。
そこで、ここでは、内申書の内容は何が書かれているのかについて、くわしく見ていきたいと思います。
[quads id=1]内申書(調査書)の内容とは何が書かれている?
それでは、内申書(調査書)に記載されている内容がどのようなものなのか、具体的に見ていきたいと思います。
大きく分けると、学力に関する内容と個人の性格や行動の記録となります。
それぞれについて、くわしく見ていきたいと思います。
学力に関する内容
学力に関する内容とは、いわゆる内申点のことです。
内申点は、主に、中学校の定期テストの結果によって決められる、通知表の評価となります。
国語・社会・数学・理科・英語の5教科と音楽・美術・保健体育・技術/家庭科の副教科(実技4教科)を5段階で評価したものとなります。
内申点というのは、高校入試の際に、当日の学力検査と合わせての合否判定となるので、非常に重要です。
内申点は、中学校のどこからどこまでの成績が含まれるのかが、都道府県によって、以下の3パターンに分かれています。
- 中1~中3までのすべての成績が内申点に含まれる⇒32都道府県
- 中2・中3の成績が内申点に含まれる⇒3都道府県
- 中3のみの成績が内申点に含まれる都道府県⇒12都道府県
ご自身の都道府県がどのパターンになるのかを知っておくことで、力の入れ方も変わってくるので、あらかじめ知っておくことが重要となります。
また、この内申書の学力に関する記載内容である内申点はというのは、定期テストの点数だけでなく、普段の授業態度や提出物なども大きく影響します。
個人の性格や行動の記録
学力に関する内容以外にも、以下のような内容が、内申書(調査書)に記載されます。
出欠・遅刻やその理由
欠席や遅刻の日数がつけられますが、かなり多くの欠席や遅刻がない限り、あまり問題ありません。
また、多少、欠席や遅刻が多い場合でも、病気やケガなど、特別な理由がある場合には、理由欄の記載内容で、仕方ないと認められます。
特別活動等の記録・部活動・行動の記録
特別活動等の記録・クラブ活動の記録・行動の記録について記入されます。
・特別活動等の記録
生徒会活動の役職や活動内容、クラス委員としての活動内容が記載されます。
・クラブ活動の記録
部活動において部長の経験であったり、大会での優勝実績であったりなどが評価されます。
・行動の記録
中学校生活の様子が書かれます。また、その他に、検定や資格など、学校外活動の記録も記載されます。
総合所見
総合所見については、授業態度が悪かったり、大きな問題を起こしていない限り、担任の先生によって、良いように記入してもらえます。
このように、内申書(調査書)には、内申点以外の内容についても、いろいろと記載されています。
記載内容については、都道府県ごとにフォーマットが異なるため、若干の違いはありますが、おおむね、上記の内容が記載されています。
[quads id=1]内申書(調査書)の成績以外の記載事項は入試に影響する?
このように、内申書(調査書)には、学校成績である内申点以外の内容も記載されることがわかりました。
それでは、内申書(調査書)の記載内容については、どのように評価されるのでしょうか。
高校入試において、内申書(調査書)の評価される項目は?
学力に関する内容
内申点については、当然、入試の合否判定に影響します。
いつからいつまでの成績が内申点に含まれるのかは、都道府県によって異なるので、自分自身の都道府県の入試制度を正しく理解することが重要です。
また、入試制度や受験校によって、内申点と入試当日の学力検査の比率も変わってきます。
5教科と副教科(実技4教科)の配点が異なる場合もあります。
しかし、いずれの場合であっても、内申点は、入試の合否において、非常に重要な役割を果たします。
そのため、少しでも上げられるように、普段からの取り組みを意識する必要があります。
個人の性格や行動の記録
出欠・遅刻やその理由
そもそも、都道府県の内申書のフォーマットによっては、出欠日数について記載されない場合もあります。
そのような場合には、出欠日数は、入試の合否判定には影響しません。
ただし、多く欠席しているということは、当然、その分の授業を受けられていないため、学力の面において、何らかのフォローを受けていない限り、厳しくなります。
また、仕方のない理由がなく、30日を超えてしまう場合には、入試結果に影響がでる地域や入試制度が多いようです。
自分自身の都道府県や受験校、入試制度を正しく理解しておくことが重要です。
特別活動等の記録
生徒会活動や委員会活動が、内申点において、評価の対象になる場合もありますが、どちらかというと、レアなケースとなります。
ただし、もちろん、意味がないわけではありません。
活動内容を通じて得られるものは、内申書での加点よりも、大きな意義のあるものです。
また、限られていますが、都道府県や入試制度によっては、加点される場合もあります。
部活動
こちらも上記同様に限られた場合のみです。
また、加点される場合でも、県大会での優勝など、大きな成果がある場合のみです。
行動の記録
こちらも都道府県や入試制度によっては、検定や資格などが評価の対象となる場合があります。
しかし、中3での取得が目安になっている程度の検定では、評価の対象にはなりません。
表現が悪いですが、取れて当たり前のレベルの検定は評価されないということです。
例えば、大阪府の公立高校であれば,英検2級であれば、80%の得点が保証されます。
英検準1級であれば、100%の得点が保証されます。
高校入試のために、学校活動やその他の活動に力を入れるべき?
それでは、内申書に記載される、内申点以外の活動について、高校入試のために、力を入れて取り組んだ方が良いのでしょうか。
結論から言いますと、入試のために、学校活動やその他の活動をするべきではありません。
誤解してほしくないのですが、学校での活動や学校外のその他の活動に力を入れるべきではないという意味ではありません。
「入試のためにするべきではない」という意味です。
生徒会活動で会長や部活動で部長を務めるなどということは、入試のためにすることではありませんよね。
自分自身が、そこで得られるものがあるから、行うわけです。
目的と手段が変わってしまうと、本来意味のあることも、意味のないことになってしまいかねません。
また、検定や資格についても同様です。
検定や資格というのは、その検定や資格がほしいから取り組むものですよね。
そもそも、上記の大阪府の例で言うと、中学3年生で英検2級が取れるのであれば、当日の入試で80%の点数を取れて当然でしょう。
入試のために、何らかの活動に力を入れるくらいなら、9教科の内申点を上げられるように努力することのほうが、よっぽど効率的で有効です。
[quads id=1]入試に備えて内申点の記載内容を知っておくこと!
入試のために、内申点の記載内容を意識しておくことは重要です。
しかし、上記で述べたように、だからといって、入試のために、生徒会活動や部活動に力を入れるのは、少し話が違うのではないでしょうか。
記載内容を知っておくことは、マイナスにならないポイントを理解することにもつながります。
そして、入試に向けて、内申書を意識するうえで、最も重要なのは、中1から内申点対策を行うことです。