内申点オール3偏差値50ではない?中学校の成績の評価を正しく知る

内申点とは、中学校での成績であり、入試のときに学力検査と合わせて、合否判定に用いられるものとなります。

そのため、内申点は、非常に重要な成績となります。

重要な成績なので、現状の自分がどの程度であるのかというのを、正しく理解しておきたいところですよね。

この内申点は、5段階で評価されるものなので、5段階の3だと、ちょうど真ん中になるはずです。

同じように、学力を表す数値には、偏差値というものがあります。

この偏差値は、真ん中、つまり平均は、50となりますので、もし、偏差値が、オール3の場合には、偏差値では、50になるのでしょうか。

そこで、ここでは、内申点オール3の場合は、偏差値いくつくらいになるのかについて、くわしく見ていきたいと思います。

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内申点オール3は偏差値で50ではない?

結論から言うと、内申点でオール3を取っている生徒は、偏差値で考えたときには、平均の50にはなりません。

都道府県や学校によって異なりますが、だいたい内申点でオール3であれば、偏差値では40前後になるのではないかと思われます。

内申点オール3=偏差値40前後

しかし、5段階の内申点で、真ん中の3を取っているということは、学校内での標準的な学力ということになるのではないかと思ってしまいますよね。

それなのに、偏差値では、真ん中の50にはならないのは不思議ですよね。

これは、内申点の付け方が、以前の相対評価から、現在では、絶対評価という方法へと変わったことが原因となります。

特に、お父様・お母様の世代の感覚では、内申点で3だと、標準的な普通の中学生の学力であり、偏差値なら50くらいだろうと思ってしまうのではないかと思います。

これが、内申点オール3は偏差値で50くらいだという誤解の元なのです。

内申点オール3≠偏差値50

それでは、なぜ、内申点でオール3の生徒が、偏差値50にならないのかということについて、くわしく見ていきたいと思います。

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内申点オール3が偏差値50ではない理由は?

それでは、内申点でオール3を取っている生徒が、偏差値では50にはならない理由について、くわしく見ていきたいと思います。

現在の内申点の評価方法は絶対評価である

内申点は、以前までは、相対評価でつけられていました。

しかし、2002年からは、小学校・中学校のすべての学年で絶対評価でつけられるようになり、現在の学習指導要領でも取り入れられています。

相対評価での内申点の付け方は?

相対評価の考え方というのは、集団の絶対数が多くなればなるほど、その成績の分布はおよそ正規分布に近づくという統計学の理論を基本としてます。

そして、5段階評定の場合には、以下のように一定の割合で評定をつけるので、必ず5の生徒も1の生徒も存在することになります。

評定 1 2 3 4 5
割合 7% 24% 38% 24% 7%

相対評価による評価方法は、評定のボーダーライン上の生徒の優劣は、教科担当の教師が決定権を持つことや、学校によって、内申点の取りやすさの違いといった学校間格差につながることが懸念されました。

そのため、現在では、内申点の評価方法は、絶対評価へと変更されています。

絶対評価での内申点の付け方は?

絶対評価の考え方というのは、あらかじめ設定された目標に対して、どこまで到達できたかで評価するものとなります。

例えば、テストの点数による評価の場合には、以下のように成績が付けられます。

評定 1 2 3 4 5
割合 30点以下 50点~70点 70点~90点 70点~90点 90点~100点

もちろん、テスト以外にも授業への参加や提出物なども加味されます。

しかし、この方法では、相対評価のときのように、3の生徒が、成績で真ん中となるわけではありませんよね。

以下は、東京都教育委員会による、「都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日)の評定状況の調査結果について」です。

評定 1 2 3 4 5
割合 3.1% 11.7% 48.1% 24.9% 12.2%

これによると、相対評価のときと比べると、1と2の生徒の割合が、4と5の生徒の割合よりも、明らかに低くなってしまっています。

そのため、この分布であれば、3と4の間の生徒が平均的な成績となるのではないかと思われます。

偏差値とはどのようにして決められるのか?

偏差値とは、集団の中での成績の良し悪しの目安となる数値となります。

50を真中として、50以上ならば平均以上となり、50以下であれば平均以下となる、というものです。

そして、この偏差値を求めるための集団とは、同じ試験を受けた集団となります。

つまり、同じ模擬試験を受けた生徒の集団の中での、自分自身の位置を知ることができるものとなります。

たしかに、学校の勉強や学校の成績は、入試には重要となります。

しかし、同じ高校入試を受けるのは、同じ中学校の生徒だけではありません。

それほど少ない集団ではなく、同じ都道府県の同じ通学エリアの生徒という、もっと規模の大きい集団になるはずです。

この中での自分自身の位置を50よりどれだけ離れているかで、良し悪しを判断するものとなるので、学校での通知表の数値とのズレも発生してしまいます。

これは、上記で述べたように、相対評価から絶対評価へと変わったことにより、学校での内申点の真ん中と偏差値の真ん中が一致しなくなったことも原因の一つとなります。

自分の学力を正しく知るためには?

学校成績である内申点は、入試の合否判定において、非常に重要な役割を果たします。

しかし、現在の内申点は、絶対評価で評価されています。

上記で述べたように、内申点の真ん中が偏差値の50というわけではありません。

そのため、この内申点の成績だけで、「自分の成績はこれくらいで、どこの高校にいけるはずだ」などと判断するのは、非常に危険なこととなります。

内申点だけではなく、定期的に、模擬試験を受けて、集団内での自分の位置(偏差値)を正しく知り、適切な受験校を見極めるのが良いのではないかと思います。

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評価方法が変わっても内申点は高校入試には重要!

お父様・お母様の頃と異なり、内申点の評価方法が、絶対評価へと変更されました。

これによって、内申点がオール3だから、「うちの子は標準的な成績であり、真ん中の公立高校くらいならいけるだろう」というのは、少し間違った考えとなってしまうことがわかりました。

そうはいっても、内申点の点数というのは、入試の合否判定を行う際に、当日の学力検査と合わせての判断材料となります。

つまり、入試を受ける前から、すでに、ある程度の判定が行われているのに等しいものとなります。

そのため、普段からでも、中学校の内申点を少しでも上げるための努力というのは、非常に重要となります。